イーストウエスト日本語学校では、今年も3月の卒業式に「なでしこ作文コンテスト」があり、スリランカ出身のニメーシャ―さんが最優秀賞を受賞しました。ニメーシャ―さんは、去年のコンテストには入学して5か月余りでの参加でしたが、優秀賞を受賞しました。そして1年後に再チャレンジし、今年は最優秀賞に輝きました。「どこまでもチャレンジしたい!」という気持ちに感動です。
そこで、今回の作文だけではなく、1年前の作文もお見せしながら、ニメーシャ―さんの日本語力の成長の足跡をお伝えしたいと思いました。
スリランカ出身のニメーシャーさんは、2015年10月に日本語学校に入学し、『できる日本語 初級』1課からスタートしました。非漢字圏から来たニメーシャーさんにとって漢字学習は確かに大変でしたが、楽しみながらどんどん覚えていきました。そして、上級クラスにまで進み、この3月に日本語学校を卒業、4月からは関西にある専門学校に進学する予定です。
卒業式では、卒業生代表として答辞を読みましたが、堂々とした語り口、その内容に多くの人が心を打たれました。友達がYou-tubeにアップしましたので、そちらもどうぞご覧ください(スクリプトも載せておきました)。
※ニメーシャーさんに許可を得て「手書きの原稿」を載せました。
初中級クラスと上級クラスで教えた森節子さんは、ニメーシャーさんに関して、こんな感想を寄せてくださいました。
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ニメーシャーさんは静かな中にしっかりとした考えと、目標を持っている女性です。ニメーシャーさんが入学して3か月経った2016年1月、私はクラス担任として初めて彼女に会いました。授業で学んだことをしっかりと復習して、宿題や作文などの課題にもとてもまじめに取り組んでいました。
彼女が中級のクラスになり、私は担任を離れましたが、クラスの授業が終わった後で空いた教室に残り、アルバイトの時間まで学校でその日の復習をしている姿をよく見かけるようになりました。新しいクラスの担当の先生方も「中級になって、テーマも難しくなっていると思うけれど、しっかりと理解して、人の意見も聞いて意見を言うことができる。彼女の学習に取り組む姿勢には感心する」とよくおっしゃっていました。JLPTのN2に合格するという目標に向かっても強い気持ちで努力していたのだと思います。
2017年の1月、上級のクラスでもう一度担任になる機会がありました。上級では「死刑制度存続の是非について」「AIの可能性と課題について」など、扱うテーマのレベルも上がり、それと同時に学生たちが取り組む課題のレベルも高くなります。それに伴って語彙や漢字の学習も大変なのですが、ニメーシャーさんの「その日に習ったことを復習し、宿題や課題は翌日に出す」という姿勢は変わりませんでした。上級のテーマについての意見文も、訂正が必要だとされた箇所はしっかりと理解して書きなおしていました。イーストウエストで作った俳句、なでしこ作文コンテストの内容、卒業文集の作品、どれもみんなすばらしいものです。
イーストウエスト日本語学校の卒業文集には、クラスメイトたちがみんなで作るページがあります。そこに、ニメーシャーさんは「私は完璧ではありません。でも頑張ってできるだけ夢がかなうようにやりぬきます。私は私を信じています」と書いています。私は目標に向かって真摯に努力を続けているニメーシャーさんを心から応援したいと思っています。
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【「なでしこ作文コンテスト】関連】
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2016年3月「なでしこ作文コンテスト」優秀賞
2016年3月「なでしこ作文」に関する記事
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【2017年3月卒業式における「答辞」】
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